勅使川原三郎 鏡と音楽 2009.09.27

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 オープニングは光とノイズ。
 仕掛けは見えないが暗闇の中、プロペラみたいなもので光を遮断し点滅させるようなイメージ。奥行きは通常の2倍はある。舞台裏まで使っているのかな。だだっ広い倉庫に居るような感じ。スケールが大きい。

 掴みはOKだが、突如ピアノのゆったりとした曲調で勅使川原三郎のソロ。これは最近のお決まりだ。ダンサーとしての極みに達したかのようなシーンは洗練された空間を演出しているが、毎回見ていると演目とは無関係のような気がしてきて、ソロで踊りたいが為に無理やり入れているようにさえ感じられ「またか」とちょっと思う。
 無関係かどうかといえば、表現するという点では本人がやっていることはブレてはいないので過去から現在に至る一連のものの経過であるし結果であるから無関係ではないが、必要か否かといえば不必要だし、このようなシーンが必要であるとすればもっと趣向を凝らすべきだったと思う。
 他に趣向を凝らすべき点があるとすれば、佐東利穂子・川村美恵を除く他のダンサーの有り方だろう。一言で言ってしまえば、前と同じ。多少の成長はあるにしても相変わらずといった感じ。衝撃的ではない。演目が違うだけで以前と同じで退屈。
 
 今回の演目は残念ながら個人的にはがっかりといったところだろう。公演を行うからには演技者の自己満足だけであってはならないと思う。衝撃と共感が伴わなければ、演技者と観客に何の意味も生まれない。光の演出は流石だと頷ける納得のいくものであったが、全体的に準備不足なのか詰めが甘かったのか不完全の感は否めない。

 かなり批判的であるけれど、期待通りのクオリティーであったことは間違いない。ただ一歩足りない、と思ってしまう点が目に付いてしまったことが残念であった。本人の体力が無くなってきたのかなぁ。それでも尚っていうところが極みではないかと今後の活動に期待する。
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by sugi_si | 2009-09-27 19:16 | ART